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2017年11月8日水曜日

イキウメ『散歩する侵略者』

シアター・トラムで上演のイキウメの『散歩する侵略者』の再演?再再演?を観劇。イキウメの舞台は過去に劇場中継で『太陽』は観たことがあるが、イキウメの公演を劇場で生で観るのは初めて。長澤まさみ&松田龍平で映画化された、イキウメの代表作。

SFと演劇、ヨーロッパ企画のコメディとは全く違う世界観。映画版は観ていないが、WOWWOW制作のスピンオフドラマ『予兆 散歩する侵略者』を観てたこともあり、かなり気になっていた。

舞台は同盟国の軍事基地のある海に近い町に住む、真治と鳴海の夫婦。真治は数日間の行方不明の後、まるで別の人格になって帰ってきた。素直で穏やか、でもどこかちぐはぐで話が通じない。不仲だった夫の変化に戸惑う鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。

侵略者たちは、地球侵略の為に地球人の事を学習、その時人間の概念を奪いとっていく。奪われた地球人は、その概念が理解できなくなり行動が不可思議なものとなる。

映画やテレビドラマは映像が特徴は具体的に、リアルに作り込んで提示する事が出来る事。一方で舞台では物理的な制約という限界があるので観客の想像力を働かせる様な仕掛けに腐心する。今回の舞台では同じ舞台装置で海岸、マンション、病院などを場面転換したり、音と役者の表情で概念の奪われる瞬間を表現したり、争いのシーン、いずれも映像のようなリアルさは全くないが、観客の想像力を喚起する事を前提としていて違和感はなかった。多分、ドラマが物足りなく感じたのは舞台を意識して映像を作ってしまった弊害の様な気がする。

自分も観客の想像力、これを最大の武器と出来るような舞台をつくる事を心がけていきたい。

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